グダグダな青春とタイムトラベル
『サマータイムマシン・ブルース』は、同名舞台劇を原作とした、ユニークな青春SFコメディ映画である。舞台はある大学の夏の日、物語は「壊れたエアコンのリモコンを何とかしたい」という、しょーもない願いをきっかけに、時間をめぐる騒動へと突入する。一見ゆるく、無意味にも見える大学生たちの行動が、やがて緻密に絡み合うタイムトラベルの伏線回収劇としての面白さを生み出す作品である。
舞台はとある地方大学の「SF研究会」。冷房の効かない部室でぐうたらな夏休みを過ごしていた彼らのもとに、突然「タイムマシン」が現れる。誰がどうやって持ち込んだのかもわからぬまま、彼らは好奇心から過去へと旅をする。目的は、「昨日壊れたエアコンのリモコンを壊れる前に取りに行く」こと。だが些細なことから過去に干渉しすぎた彼らは、「時間の矛盾」に気づき始める。もしも過去を変えてしまったら、現在がなくなるのか。 そんな中、彼らの時間旅行には、ある秘密と伏線が仕掛けられていた。
本作が魅力的なのは、「日常×SF」という取り合わせが絶妙に調和している点である。理系のようなことを語りながらも、やっていることは「リモコン取りに行くだけ」「風呂場をのぞきたい」など、どうでもよすぎる動機。しかしそれこそが、青春のリアルでもある。だが後半になると、その日常的な行動の積み重ねが実は大きな「時間構造」をなしていたことが明かされ、観客は伏線の数々に驚かされる。ゆるく始まるがちゃんと閉じる、その構成が醍醐味の作品と言えるだろう。
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