『ブルージャイアント』感想・考察・レビュー【漫画】

ジャズと情熱

『ブルージャイアント』は、漫画家・石塚真一によるジャズ漫画である。舞台は仙台から始まり、後に東京、ヨーロッパへと広がっていく。主人公・宮本大(みやもと だい)がジャズサックスと出会い、音楽で世界一のジャズプレイヤーを目指す物語である。

音楽という無音の題材を、驚くほどの熱量と描写力で可視化している。大のサックスが放つ爆音や繊細な表現は、コマ割りや集中線、登場人物たちの表情で読者に迫ってくる。「音が聴こえる漫画」という評は、本作にもっともふさわしい言葉である。

努力してもすぐに結果が出ない現実、才能の差に打ちのめされる経験、仲間との衝突や別れなど、物語には常に「壁」がある。それでも前へ進もうとする大の姿勢は、音楽だけでなく人生そのものの寓意として描かれている。ジャズは即興と個性を重視する音楽であり、本作でも「自分の音を出せるか」が最大のテーマとなっている。譜面ではなく心で奏でる音、他者とぶつかりながら調和する音、それを見事に表現している漫画である。

ジャズという音楽を題材にしながらも、実は「夢を貫くとは何か」「自分を信じるとは何か」といった普遍的なテーマを描く青春譚である。
サックス一本で世界とぶつかる宮本大の姿は、読者に「本気で生きることの価値」を問いかけてくる。それは音楽漫画であると同時に、読む者の魂に火を灯すような作品であると言える。


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